聞けない音は、発音できない
今回は、英会話・発音に直結するリスニングのキホンについてです。
英語には日本人は持っていない発音があります。似たような音で聞き分けられないし、違いもわからない。耳が聞き分けられない音は、そもそも発音もできない、というお話です。これは、弦楽器など絶対的な音を自分で作るタイプの楽器の練習と同じことなんです。詳しくは<日本語・解説はこちら>へ。
代表的な音にはRとLの違いや、thや一部のaほかがあります。
こうした音は、聞き分けられないことには、発音ができないんです。
あるとき、手話通訳さんと話をする機会がありました。すごいなー、と思っていたら、彼女はこういうんです。
「両親が話せないから、私は幼稚園に行くくらいまで話ができなかったんですよ。」
親からの話しかけがなくて、音を聞いていないから、自分も話せなかったそうなんです。
英語がネイティブでない人たちにしてみれば、彼女と同じ状況。英語の特定の音が日本語にないため、その音を聞いてこなかったから、その音が発音できないんですね。
しかも、大人になって言語習得の能力が衰えてから始めても、なかなか難しい。
こうなると、聞き取れない音を集中的に学んでいくしかないんです
まずはゆっくりはっきり話している短文で苦手な音を繰り返して聞くのが効果的 子供の頃もその音だけを重点的に聞いたわけではなくて、言葉として聞いてきました。だから、たとえばL⇔Rの音だけを繰り返し聞くよりも、こうした短文の中でその音を聞くほうがいいんです。
そうした音を集めた教材を聞くのもいいと思います。加えて、DVDやCDなどで、目と耳ででそれがLかRか確認しながら聞いていくほうが、学習の効率はあがります。
最初はまずナレーション部分など、はっきりゆっくりしている中から苦手な音をさがしだして繰り返して聞きます。(女性なら、たとえば「Sex and City」で毎回必ず出てくるサラ・ジェシカ・パーカーのナレーションなど聞きやすいですよ)DVDなどで、一部分を繰り返し聞く機能を利用するといいかもしれません。
テンポの速い通常の会話は音の消失も多いので、この練習に使うには慣れてからのほうがいいと思います。
たとえば弦楽器などは、ピアノの鍵盤と違って絶対的な音が楽器それ自体からは得られない。だから、お手本となる音を聞いて、その音に近づけることで上達していくそうです。聞いてその音がとらえられないことには、自分の演奏も上達しないわけですね。
言語も、これと同じことが言えます。
聞き分けられないことには、発音ができない。
だから、まずは聞くことが大切。
集中的に聞くことで、発音の練習にも生きてきます。(発音に関しては、またのちほど触れます)。